『愛』

       ジョージ・ハーバード



    「よく来てくれたね」

    愛は、温かく迎えてくれた

    こんな私を・・・・・・。

    けれど、私はしりごみした、

    自分の罪と汚れを恥じて。



   伏し目がちに部屋に入ってきた時から

   気おくれしている私の様子を、

    愛はめざとく見つけていた。

    私のそばに来て、やさしく尋ねた。

   「何か不足しているものがあるのか」



   私は答えた。

   「この席にふさわしい客がおりません」

    「ほかでもない、あなたがその人だ。怖がることはない」

   「こころ冷たく恩知らずの、この私がですか。

    主よ、私はあなたの御顔を仰ぐ値打ちすらない者です」

    愛は私の手を取り、ほほえんで言った。

    「あなたの眼を造ったのは、このわたしではないか」



    「そのとおリです、主よ。

    けれで私はそれを汚してしまいました。

    私の恥じにふさわしいところヘ行かせてください」

    「だれがあなたの罪を負ったか、あなたは知らないのか」

    「主よ、それでは、私をあなたに仕える者としてください」

    「ではここに座り、食しなさい。わたしのからだを」



    こうして私は座して、食した。

    愛の君の命じられるままに。







     








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