「春を招く雨」 2024.02.25
80年ほど昔、私の子どもの頃は、今のようにテレビもなくゲーム機
もなく、遊びはもっぱら野外でした。季節に溶け込んで、冬であれば野
原で鬼ごっこをしたり、夏であれば大きな川で泳いだり、小川に投網で
魚を捕ったり、トンボやヤンマを追いかけたり足りまわっていました。
ですから、雨の日は、空を見上げ恨めしそうにしていました。
祖父が農家でしたので、梅雨どきは蓑をかぶって田植えを、夏には大
きな水車に乗せられて田甫に水入れをさせられました。秋には刈り入れ
が終わると広々した田甫は、子どもたちの格好の遊び場でした。鬼ごっ
こをしたり、模型の飛行機を飛ばして遊んでいました。雨は行動が制限
されるので嫌いでした。
最初に赴任した教会に「雨の好きな人」がいました。水曜の夜の祈祷
会には、どんなに大雨でも20分ほど歩いて出席されました。ある日、
玄関先でねぎらいの言葉をかけると、「僕は雨の日が好きなんです。空
気が爽やかになるからです。………」と
教会の花壇にも春が来ました。土の乾燥をさけるために、毎日、教会
へパトロールに行った時に水をあげていました。春を待ちわびていたの
か、いろいろ芽を出してきました。花の咲くのが楽しみです。
「雨にぬれ 花も草木も 嬉しそう」(辻川敏子作 2015.04.10)
“わたしは時にかなって………雨を与える。” レビ記26:4