『聖夜』 7世紀・シリヤのイサク
全世界が平和を賜わった今宵(こよい)
互いに威嚇(いかく)しあうのをやめようではないか
いとも柔和なる方のお生まれになった夜
我らの残忍さを捨てようではないか
もっとも謙遜になられた方のお生まれになった夜
我らの高ぶりを捨てようではないか
きょうこそは、神の喜びの日
我らは報復をやめようではないか
きょうこそは、神の善意の日
我らは悪意を捨て去ろうではないか
この平和の訪れの日に
我らを縛る怒りの鎖を打ち砕こう
もっとも富んでおられる方が
きょう我らのためにすすんで貧しくなられたのだ
それゆえ富める人々よ
あなたの食卓に、貧者たちを招きなさい
きょう我らは求めることなく贈り物を受たのだ
ゆえに我らに懇願する者たちに惜しみなく施そう
きょうという日、天の扉は
我らの祈りのために開かれた
我らもまた、我らに赦しを請う者たちに
扉を聞こうではないか
いまや聖なる神が ご自身の身に
人のしるしを帯びられたのだ
それは人類が神のしるしをもって
うるわしく飾られるためである