「金木犀」
毎日のルーティンの中に、散歩があります。自宅マンション横の
公園をぐる~っと一周すると約2000歩。雨の日は、玄関前の7
階から、手摺りを意識しながら階段を一階に降り、また上がります
が、かなり体力が求められます。
先日、公園を散歩しているとき、インターバル速歩の時なのに、
急ブレーキがかかったように、足止めさせられました。とても良い
香に。金木犀の香が遊歩道に漂っていました。
ジンチョウゲ、クチナシと共に、日本三大香木の一つですね。花
は薬用にもなるようです。英語名は“fragrant olive”と相応しい
名前です。
金木犀の香は私の道標(甲田夏湖)
金木犀しずかに時を降らせおり(中根美保)
ふと匂う誰も知らない金木犀(三宅やよい)
金木犀空全開に深みたる(田中矢水)
雲切れて金木犀の金こぼれ(林翔)
これといふ庭なき家に金木犀(松崎鉄之介)
とろとろと金木犀の香は麻酔(武藤嘉子)
金木犀己がことばをこぼしけり(宮澤さくら)
金木犀存在感の香を放つ(塩川雄三)
金木犀の香に包まれし涙かな(柳生千枝子)
金木犀知りたきことは数知れず(倉持梨恵)
湧くように金木犀の散り敷けり(高田令子)
金木犀銀木犀と垣続く(水原春郎)
紙面から金木犀の香が漂ってくるようです。