457 イエスの奇跡⑤ 「5つのパンと2匹の魚」ヨハネ6:1~14 (11845回)
                                 2023.07.16
詩篇136篇の作者は、聖書の語る神・創造者なる神を、
 “ただひとり、大いなる不思議を行われる方”(4節)と表現しました。
 神のなさるみ業は、すべて不思議であり、神秘的であり、奇跡であります。

◆『主の奇跡』と言う書物を記したR.C.トレンチという神学者は、
  「地上の奇跡は、天国の自然」と言いました。
 私たちが奇跡、奇跡と、驚いたり、騒いだりしていても、
  天国では、奇跡はごく普通のこと、日常茶飯事の出来事なのです。
  天国での生活は、文字通り「奇跡の連続」と言えます。
奇跡なんか、信じられないと言い続けるなら、救われることも、天国に行くこともできなくなります。
この世界が無から創造されました。そして、時が満ちて、神の子イエス様がこの世に遣わされました。
イエス様の十字架と復活による永遠の救いの完成しました。
信仰による救いも、イエス・キリストの再臨も、永遠の天の御国も……… すべては奇跡です。
「処女降誕」も「イエス・キリストの再臨」も、世の人が信じられない奇跡です。

◆4福音書には、イエス様のなさった奇跡が35記録されています。
 弟子ヨハネは、イエス様の奇跡の中から、注意深く7つを選んで記しました。
ヨハネは、4福音書の中で最後に書かれたものです。彼は他の福音書との記事の重複をさけつつ、
  これは後世に伝えておかねばならないと聖霊によって判断したものを記録しました。
 7つの奇跡のうち、5つはヨハネの福音書にだけ記されたものです。
今朝、学ぶ奇跡は、4人の福音書の記者が、全員取り上げています。
 誰にでも関心のある奇跡だからでしょう!

<祈り>

◆奇跡を聖書では「しるし」と表現しています。
  私たちの身の回りにはいいろいろな、サイン、記号、絵文字があります。
  家電製品の取説などに、記号、絵文字がたくさんあります。
  その意味を正しく知る必要があります。

今朝学ぶ奇跡の起こった場所は、ガリラヤ湖の東の湖畔です。
この美しい湖は、ローマ皇帝テベリウスにちなんでティベリア湖とも言われています。
奇跡の起こった時期は、季節の良い春です。
4、5節→“ユダヤ人の祭りである過越が近づいていた。”過越は、ユダヤの最大の祭りです。
奴隷の国・エジプト脱出を記念する祭りであり、ユダヤ人にとり建国記念日でもありました。
  エルサレムへの巡礼者が多く、イエス様の癒しの奇跡を見た人たちのうわさも広がり、
  “大勢の群衆が”イエス様の方に集まってきたのです。
 イエス様が大群衆の中で、パンの奇跡をなさった動機は2つあると思います。
①ご自分の回りに集まっている人々の肉体的な必要にも心を配り、
  その必要を十分満たしてあげようと思われました。
イエス様は、時刻も遅くなりお腹を空かして、疲れ弱っている人々を助けようと考えられました。
 主イエス様の優しい思いやりの現れです。イエス様は、まさに愛の人です。
“わたしは心優しく、へりくだっている”(マタイ11:29)

②弟子たちの信仰を強くするため
 イエス様は、弟子のピリポに相談されました。
5節“どこからパンを買って来て、この人たちに食べさせようか”
イエス様の真意は、ピリポの信仰をテストするためでした。
6節、イエス様は、“ご自分が何をしようとしているのかを、知っておられた。”
イエス様は、なぜピリポに声をも掛けられたのでしょうか。
・彼は、すぐ近くのベツサイダ出身で、その周辺の地理に詳しく、
    どの村の、どこの店に行けば良いか、すぐに判断だきたからでしょう。
・彼は、慎重というか疑い深い性格の持ち主でした。
14章9節で、“ピリポ、こんなに長い間、あなたがたと一緒にいるのに、
           わたしを知らないのですか。わたしを見た人は、父を見たのです。”
常識的には、判断と解決に困る出来事を前にして、ピリポの信仰はどのように働くかを
イエス様はテストしようとなさったのでしょう。これは彼の信仰の訓練となるのです。

7節→ ピリポは、実際的で、事務的な結論を出しました。
200デナリを出して、パンを買って来ても、焼け石に水のようなものと言いました。
1デナリは、労働者の日当です。200デナリとは、200日分の給料で、大金です。
パンを必要としている人たちの数は、
    10節にあるように男5000人。女性や子どもを数えると、1万人を越える大群衆です。
   慎重で疑い深いピリポは、合理的に考え、ソロバンをはじいて悲観的な結論を出しました。

マルコ6:38“イエスは彼らに言われた。
         「パンはいくつありますか。行って見て来なさい。」”
8節→アンデレは、イエス様のご命令に、すぐに従いました。
アンデレは、自発的に行動しました。
食事の可能性を探すために、群衆の中に、入って行ったのです。
しばらくして彼は、一人の少年を連れて戻って来ました。
アンデレは、小さな可能性を発見し、何かが起こるかも知れないと期待しながら、
     少年をうまく説得して、イエス様の元に帰って来ました。
    しかし、彼は厳しい現実を見て、言いました。
9節→“「ここに、大麦のパン5つと、魚を2二匹を持っている少年がいます。
    でも、こんなに大勢の人々では、それが何になるでしょう。”
大麦のパン→ 安物で、貧しい人たちの食事です。
魚→ ごくありふれた魚の干物です。

主イエス様は、アンデレの信仰に基づく行いを喜ばれたことでしょう。
また、自分の大切な弁当を、差し出した少年の優しい心を喜ばれた事でしょう。
イエス様のご命令によって、男たちはその場に座ったのです。
 ここにも、イエス様のご配慮があります。
   夕闇が迫っていますし、群衆は空腹でした。パンを取り合いして、パニックにならないため。
   人々が謙虚に神に祈り、感謝を捧げるために、地面に腰を下ろすようにされました。
  全員にパンが、効率よく、行き渡るように、草原に座らせなさったのです。

11節→アンデレは、「パンは5つしかない、魚も2匹しかない」と否定的に考え、
    イエス様は、「パンは5つもある、魚も2匹もある」と肯定的に考えられました。
イエス様は、パンや魚を受け取られて、神に感謝して、座っている人たちに“分け与えられた。”
イエス様のみ手から、人の手に渡されるときに、小さなパン切れが、ムクムクと大きく膨れた?
イエス様のみ手の中で、パンと魚がどんどん増え続けて、全ての人が満腹できたのです。

◆私たちが先ほど捧げたワーシップソングの中に、
   “み手の中で、すべては変わる賛美に、み手の中で、すべては変わる感謝に”とありました。
奇跡の驚くべき結果が、次のように述べられています。
“……彼らが望だけ与えられた。” “彼らが十分食べたとき、……”。
    余ったものを集めると“12のかごがいっぱいになった。”と。
その場にいた人々は、イエス様から素晴らしい教えを聞いて心の糧をいただいただけでなく、
お腹も満たされて、とてもハッピーな気分になったことでしょう。

◆主イエス様は、公の生涯に入られて間もない頃、40日の断食の後にサタンに試みられました。
空腹のイエス様に、「お前が神の子なら、石をパンにして見ろ」と。
イエス様は、ご自分のためには、奇跡をなさらなかった。
イエス様は、どんな乏しさの中でも、いつも満ち足りておられたのです。
イエス様に従った使徒パウロは、“私は、どんな境遇にあっても満ち足りることを学びました”

◆最初の奇跡は、質の変化「水をぶどう酒に」変えられました。
今日の奇跡は、量の変化「わずか5つのパンと2匹の魚で、男5000人を満腹させられた」。
 ◎昔、収入がない月もあったのですが、イエス様は不思議と養って下さいました。
◎開拓伝道の初めのころ、礼拝献金を家内と共に感謝の祈りを捧げて、計算するのですが、
   献金箱の中で奇跡が起こったのではないかとびっくりするような大金が捧げられていることも。
私たちの教会が、ここまで来れたのも、皆さんのお祈りとイエス様の奇跡の賜物のゆえです。

◆イエス様は、私たちの心の糧も肉体の糧にも、心を配り、必要を満たして下さるお方です。
14節“まことにこの方こそ、世に来られるはずの預言者だ。”
人々は、イエス様を祭り上げて、自分たちの政治的なリーダーにしようとしました。
イエス様は、誤解を避けて、山に退かれました。後を追いかけてくる群衆に、
   「5000人の給食」の奇跡の隠された意味を話されたのです。

◆27節→
32~37節→
51,54節→

 ◆麦が茎からもぎ取られ、砕かれ、こねられ、火で焼かれて、パンが出来るように、
イエス様は、私たちの罪を赦し、私たちに永遠の命を与え、永遠の天の御国に生きるために、
ご自分の体を十字架に掛け、砕かれ、血を流して、救いを完成して下さったのです。
54節の“わたしの肉を食べ、……わたしの血を飲む”とは、どういうことなのか、56節。
56節→“わたしの肉を食べ、わたしの血を飲む者は、わたしのうちにとどまり、
       わたしもその人のうちにとどまります。”
     →私の罪の身代わりとして、十字架にかかって下さったイエス様を信じること。
→“いのちのパン”であるイエス様を信じることにより、
私たちは、永遠いのちの恵みを受け、天の御国での生活が出来るのです。

◆パンの奇跡は、まず私たちの心の中から、起こることを神は願っておられます。


【応答の時】

 “人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つの言葉で生きる”(マタイ4:4)








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